森と水との鎌田です。
今年も残すところ1ヶ月余りとなりました。
台風被害や観測史上記録的な大雨や自然災害の多い年となりました。
未だその被害からの復旧もままならず困っていらっしゃる方々も多いと思います。
私は環境アセスメントや生活環境影響調査(ミニアセス)などの仕事を中心に行っていますが、
仕事上、地理情報を多く使います。
これは環境の側面だけではなく、防災対策にも大変有効です。
国では国土数値情報として様々なデータが公表されています。
その中で今回のような大雨の時に河川が氾濫したような場合を想定して予め作成する浸水想定区域のデータが整備されています。
一方、廃棄物関連については、廃棄物処理施設として多くの産業廃棄物処理施設の位置情報が公表されています。
災害廃棄物の視点とは少し違いますが、いつも仕事で訪れているような廃棄物の事業場は、大雨のときなど大丈夫か、と考えることがあります。
皆さんはBCP(事業継続計画)というものをご存知でしょうか?
災害で事業所などが被災した時にどのように復旧し、事業を継続していくか予め計画を立案しておくことです。
災害発生時に急に考えても冷静に対応することなできません。
当たり前のことですが、日ごろからの備えが最も大切です。
私のところでは、ミニアセスなどの廃棄物関連の仕事の他にこのようなBCPの策定も行っており、民間の事業所のご支援をしています。
産業廃棄物処理施設についても、災害時には大きな役割があります。
しかし、それらが被災し廃棄物処理が行われなくなっては、災害廃棄物の処理も滞ることになってしまいます。
東京都内に位置する産業廃棄物処理施設の位置と東京都における浸水想定区域(ハザードマップ)を地理情報システムで重ね合わせ処理してみました。
ほんの一例ですがご紹介します。
図面をご覧ください。
青い点は廃棄物処理施設の位置を表しています。また、面的な黄色~紫色などは浸水深を表しており、濃い色になるほど被害が大きくなることを示しています。
荒川沿いの千住付近が濃い紫色をしていると思いますが、これは浸水深が「5.0m以上」の区域です。あくまでも想定ですので、今すぐにでも被害が発生するわけではもちろんありません。
ただ、地形的に今回のような大雨が続き、河川が氾濫したような場合は、このような危険性があるということです。
5m以上となれば、当然床上浸水となり、住居ももちろんですが、事業場も被災し、事業活動に大きな影響が出ると思います。
だからといってすぐに事業場を移転するようなことは難しいと思いますが、このような地域に新設したり、増設するような場合は、浸水もあり得るということを念頭に置いて計画してほしいと願います。
産業廃棄物処理施設というと、一般の皆さんから見れば、少し縁遠い、場合によっては危険性など感じることもあるかもしれませんが、ほとんどの事業場は身を粉にして働いている皆さんなのです。
私は前述のとおり、産業廃棄物処理施設設置の際に行われるミニアセス・生活環境影響調査を仕事の中心にしていますが、これらのご関係の皆さんが身近であることもあり、是非、BCP(事業継続計画)の観点からもご支援したいと考えています。
少しわかりにくいご説明で申し訳ありません。
ただ、今年の自然災害を考えるといろいろな立場の人々、会社企業などが、改めて防災について意識することが重要だと思います。
コラム記事をご覧になって頂きまして、ありがとうございます。
今後とも、株式会社森と水とをよろしくお願いいたします。
また、この機会に是非、HPの方もご覧になって頂ければ幸いです。
株式会社森と水と