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生活環境影響調査に必要なもの

破砕施設などについて

· 生活環境影響調査,環境影響評価,環境アセスメント,ミニアセス,産廃処理施設設置

森と水との鎌田です。

暑い毎日が続いておりますが、みなさまお元気でお過ごしでしょうか。

私は例年以上に廃棄物関係のお問い合わせが多く、おかげさまで忙しく過ごしております。 

今日は、産廃処理施設の中の中間処理施設、その中でも最も多く存在する破砕施設などの設置あるいは更新などに伴い生活環境影響調査を行う際に必要なもの、事業計画などについて書いてみます。

生活環境影響調査あるいは条例アセスのような場合であっても計画内容が漠然としていては、調査や予測評価はできません。

もちろん計画段階ですので、少々あいまいな部分もあるかもしれませんが、一般的にはやはりできる限り正確な計画設計内容が求められます。

事例をあげてご説明いたします。

以前行った破砕施設更新に伴う生活環境影響調査の時のことです。

ごくごく一般的な調査といえる内容かと思います。

必要な計画は、以下のとおりです。

  • 事業概要(事業目的、破砕対象とする廃棄物、処理能力、処理フローなど)
  • 敷地内の配置図、平面図
  • 建築図面(建築立面図、内部仕上げ材の状況)
  • 施設関連図面(機械図面、配置図)
  • 対象施設の騒音振動測定値(メーカー提供値など)
  • 公害防止計画(大気、騒音振動、悪臭防止対策)
  • 廃棄物運搬車両台数(日搬入量、搬入ルート)

だいたいの皆様はご理解頂ける内容ではないかと思います。

この中で苦労した点がありました。

それは、老朽化した施設を更新するため施設に関しては新たなメーカーから関連図面を入手すれば良いのですが、設置する場所を示した敷地の図面、建築図面がかなり古く、部分的には現況と大きく違うものでした。

図面上ではあるべき範囲に塀が無い、新たな作業小屋が設置されているなどでした。

普通に考えれば古くなった建物ですので、傷んだ個所があったり、随時、建て替えなどを行うことが多いので、ごく普通のことかもしれません。

ただ、特に破砕施設の場合は騒音が最も大きな問題となりますので、予測評価の基本となる図面が正確でないと原則的には計算はできがたいこととなります。

私は実態と違う図面をもとに破砕施設から予測地点までの伝搬経路を確認し、特に必要だろうと考えられるところの、塀の範囲、高さ、厚さ等を計測し、図面をできる範囲で修正し、予測計算のベース図としました。

建築物の内部仕上げ材については、写真を丁寧に撮影し、厚さなども確認し、持ち帰った後に建築士などに確認し、設定することとしました。

まったく新しく設ける施設の場合は、このようなことはあまりありませんが、長年営業されて施設を更新されるような場合には、たまにあることです。

cm単位で予測のもととなる距離を計測しますので、あいまいな図面の場合、どうしても安全サイドにたって検討することになってしまいます。

それでは結果的に事業主が困ることにもなりますので、できる限り私が補足調査などし、上記の計画を一揃えするようにしています。 

このようなやりとりを事業主の皆さんとお話し、ご理解いただくのも大切なことだと思っています。

生活環境影響調査が必要になったけれど、何を準備してよいかわからない、古い図面しかないなど、いろいろご不明なことがありましたら、それらも含めて私の方で丁寧にご説明し、きちんと調査し、予測評価し、生活環境影響調査書に仕上げます。 

どうぞお気軽にご相談頂ければ幸いです。

今後とも、技術士事務所 森と水とをよろしくお願いいたします。